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酸熱トリートメントが日本で誕生して数年の月日が経ちました。
美容業界に浸透しつつありますが、今だに酸熱トリートメントに関する間違った情報や誤解が広まっているのが現状。
酸熱トリートメントのことに関して、美容師さんによって意見が食い違うことも沢山あります。
誤解が広まっている状況は良くないからこそ、今回は酸熱トリートメントの効果&メリット&デメリットを改めて解説したいと思いました。
年間3000人の酸熱トリートメントを担当するSENJYUチームが「酸熱トリートメントとはなにか?」をこの記事で詳しく解説します。
この記事を最後まで読めば、酸熱トリートメントの全てが分かる内容になっています。
目次
酸熱トリートメントは、酸と熱の力を利用してダメージを補修する特殊なトリートメントです。
名称に「トリートメント」とあるように、酸熱トリートメントの本質はダメージケアであり傷んだ髪を補修するメニューです。
カラーやパーマ、縮毛矯正などのケミカルなダメージによる広がり、うねりを改善できますが、縮毛矯正のように強いくせ毛を伸ばすことはできません。
通常のトリートメントとなにが違うのでしょうか?
次の項目で詳しく解説させて頂きます。
ここでは、絶対に覚えておくべき酸熱トリートメントの基礎情報を簡単に解説します。
SENJYUチームの意見ですが「グリオキシル酸」が配合されている酸熱トリートメントこそ、本物の酸熱トリートメントと思っています。
酸熱トリートメントの効果やメリット&デメリットを説明する際「グリオキシル酸」が入っていないと話になりません。
なぜなら、酸熱トリートメントの効果は「グリオキシル酸」が配合されていること前提で解説されているからです。
もし、グリオキシル酸が入っていないと、それは酸熱トリートメントと言って良いのか?疑問に思うほど。
ラーメンに使用する麺が小麦粉からできていれば、それは間違いなくラーメンと言えます。
しかし、もし小麦粉を使用せずに春雨麺を使用していたら、それはラーメンと言って良いのか?
「ラーメンのレビュー」なのに、春雨麺を使用している料理でレビューして良いのか?
と言うことになってしまうのです。
つまり、酸熱トリートメントの効果を説明するならば「グリオキシル酸」が配合されていること前提で話をする必要があるのです。
ラーメンのレビューなのに、対象となるメニューが春雨麺を使用していたら「あれ?」って思いますよね。
ここで解説した内容は全てSENJYUチームの意見です。
酸熱トリートメント最大の効果にしてメリットは「ダメージケア」です。
通常のトリートメントでは対処できないほど激しく傷んだ髪にも効果を発揮可能で、髪が傷んでいるほど効果的です。
どれほどの効果があるのか?酸熱トリートメントのBefore・Afterをご覧下さい。
細く弱った髪に酸熱トリートメントを行うと、ハリとコシのある力強い髪にすることができます。
酸熱トリートメントをすることで、くせ毛が伸びる場合もあります。ただ、酸熱トリートメントのくせ毛改善効果は人によって効果を発揮できない場合もあります。
弱った髪を蘇えらせる効果、それが酸熱トリートメントです。
ここまで解説した効果は、全てグリオキシル酸を配合した酸熱トリートメントに限った話です。
酸熱トリートメントには種類があるんですか?
メーカー別&成分別で種類があるので簡単にご紹介します。
製造メーカー(会社)別の種類で、日本で酸熱トリートメントを製造しているメーカーは10社以上存在します。
メーカー別で効果や仕上がりが異なります。
日本で製造している有名な酸熱トリートメントは以下の通りです。
↑グリオキシル酸がメインですが、それ以外の酸を使用している場合もあります。
どの酸熱トリートメントにどんな酸が配合されているのか詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
配合されている「酸」にも種類があるんですよね?どんな種類があるのでしょうか?
酸熱トリートメントに配合されている「酸」は主に3種類あります。
酸熱トリートメントの効果を発揮するためにはなくてはならない成分。このグリオキシル酸が入っているからこそ「酸熱トリートメントと名乗ることができる」と言って良いほど重要な成分です。
髪に柔らかさと艶をだす効果の高い成分で、グリオキシル酸の次に配合されている割合が多いです。
パーマと相性が良い成分です。酸熱トリートメントとしての効果は実感しづらいと言われています。
↑市場に出回っている酸熱トリートメントの約9割がグリオキシル酸配合で、残りの約1割がレブリン酸のイメージがあります。
サリチル酸などの酸を使用した酸熱トリートメントはほとんど聞いたことがありません。
東京での酸熱トリートメントの相場は1〜2万円です。
地域や店舗によって値段は異なりますが、東京で酸熱トリートメントをメニュー化する場合、最低でも1万円以上にしないと収益化できないと思っています。
もし、相場より極端に安い酸熱トリートメントを使用していたら、またはグリオキシル酸の配合量が極端に少ない、もしくはグリオキシル酸が無配合である場合が多いです。
酸熱トリートメントを行う際は、相場内の美容室に行くべきだと思っています。
値段で全て決まる訳ではありませんが、値段と技術は比例する事実があるのです。
向いている髪&向いていない髪の特徴が以下の通りです。
酸熱トリートメントはダメージが大きい髪ほど効果を発揮します。 ブリーチ毛や市販のカラー剤等で染めたりすると、過剰にアルカリに振られている為、 より効果を発揮したりします。
年齢による髪質の変化である「エイジング毛」にも効果的で、酸熱トリートメントをすると力強い髪にすることが可能です。
ダメージによる髪の広がり、うねりを抑える効果があります。
ダメージが皆無、ほとんどない髪には全く効果がありません。むしろ、ダメージのない髪に酸熱トリートメントを行うと髪質が悪くなってしまうデメリットがあります。
髪質がしっかりしている人は、酸熱トリートメントの効果を発揮しづらい傾向があります。
酸熱トリートメントは髪質によってくせ毛が改善する場合がありますが、強いくせ毛にはほとんど効果がありません。そのため、縮毛矯正ほどのストレート効果はありません。
酸熱トリートメントの持続力は髪質によって異なりますが、1〜3ヶ月以上は持続します。
元々のダメージが大きい髪ほど持続力が短くなる傾向があります。
酸熱トリートメントは1回やるだけでも劇的な効果がありますが、髪の体力が完全に戻った訳ではありません。
髪内部までしっかりケアをしたい場合は1.5〜2ヶ月の頻度で2〜3回の施術を重ねると、さらに効果的です。
1.5〜2ヶ月の頻度で酸熱トリートメントを行っていくことで、髪の体力を100%に近づけていくのです。
酸熱トリートメントは、施術工程でアイロンを入れているので、多少ですが髪を傷めている事実があります。
しかし、そのわずかなダメージをはるかに上回る補修効果を発揮するので「髪が傷む」は間違っていると思って下さい。
ここでは、酸熱トリートメントの3大メリットをご紹介します。
酸熱トリートメントをすることで、できなかったメニューが「できる」ようになる場合があります。
髪が激しいダメージを受けると、縮毛矯正やパーマがかからない髪になってしまいます。
しかし、酸熱トリートメントをすれば髪内部のダメージも直せるため、縮毛矯正&パーマができない髪を「できる」に変えるに戻すことが可能になったのです。
↑イミン結合が効果を発揮できるようになる秘訣です。
できないメニューが「できる」になるなんてすごいですね!
ただ、可能性の話であることは覚えておいて下さい。
酸熱トリートメントをすれば、絶対にパーマや縮毛矯正ができる髪に戻る訳ではありません。
あくまで、かかりやすくなるだけの話であり、酸熱トリートメントをしてもどうしてもかからない場合もあります。
酸熱トリートメントは収斂作用(しゅうれんさよう)によって、髪を引き締しめて力強い髪へ導きます。
弱っている髪をわずかに酸性に傾けると髪を引き締める(収斂作用)ことができます。
髪が引き締まることで、ハリとコシのある力強い髪質に改善されるのです。
これは冒頭でも説明しましたが、酸熱トリートメントは劇的なダメージケアを発揮します。
その効果は髪が蘇ったと思うほどの効果。
ここでは、酸熱トリートメントをやる前に覚えておきたいデメリットをご紹介します。
酸熱トリートメントに配合されているグリオキシル酸には独特な臭いがあります。
施術から数日間は髪を濡らすと臭いを発しやすく、入浴中に気になる人も多いです。
ただ、髪を乾いている状態だと臭いはほとんどなく、1週間経つと臭いも少なくなります。
独特な臭いって、どんな臭いでしょうか?
表現は難しいですが、個人的に「酸化した果物」の臭いだと思いました。
酸熱トリートメントに含まれる「グリオキシル酸」はカラー色素を分解してしまう性質があります。
そのため、カラー直後に酸熱トリートメントをすると、若干ですが色落ちしてしまうデメリットがあるのです。
ちなみに、美容師さんの技術力によって、ヘアカラーとの同時施術を可能にしているケースもあります。
SENJYUチームも、酸熱トリートメントとヘアカラーの同時施術を可能にしています。
酸熱トリートメントには「失敗」される可能性があり、失敗されるとさらに髪が傷んでしまいます。
酸熱トリートメントは「トリートメント」と名がつきますが、難易度がとても高く技術力がないと失敗するメニューです。
よくある失敗は以下の2つです。
アイロンを強く入れすぎて、熱ダメージを受けてしまう。
トリートメントの放置時間が長すぎた結果、髪が引き締まりすぎて髪が硬くなる(過収斂)
ただ、髪が傷んでしまうのは「失敗」されたからであって、酸熱トリートメントに問題はありません。
正しい知識を元に髪質診断を行い、適切な酸熱トリートメントを行えば失敗することはないのです。
ここでは、酸熱トリートメントと比較されやすいメニューとの違いを解説します。
通常のトリートメント | 酸熱トリートメント | |
効果 | コーティングでダメージを隠す | ダメージの根本を改善する |
持続力 | 数週間〜1ヶ月 | 1〜3ヶ月 |
値段 | 1.5〜2万円 | 1〜2万円 |
施術時間 | 2時間前後 | 1.5〜2時間前後 |
↑効果の対象が「髪内部」「髪外部」の違いだと思って下さい。
縮毛矯正 | 酸熱トリートメント | |
効果 | くせ、うねりが伸びる | ダメージが直る |
持続力 | 1〜3ヶ月 | 1〜3ヶ月 |
値段 | 1.5〜2万円 | 1〜2万円 |
施術時間 | 2時間前後 | 1.5〜2時間前後 |
「大掛かりなメニュー」と言う点は共通していますが、逆に言うとそれ以外の共通点は見つかりません。
そのため、酸熱トリートメントと縮毛矯正は似ても似つかないメニューなのです。
酸性ストレート | 酸熱トリートメント | |
効果 | くせ、うねりが伸びる | ダメージが直る |
仕上がり | 髪に艶がでる | ハリとコシがでる |
持続力 | 1〜2ヶ月 | 1〜3ヶ月 |
施術時間 | 2〜3時間 | 2時間前後 |
そもそも、酸性ストレートは薬剤の種類がアルカリ性から「酸性」になった縮毛矯正なので、本質は縮毛矯正と変わりません。
ちなみに、酸性ストレートは薬剤が酸性なので、本来不可能だった酸熱トリートメントと縮毛矯正の同時施術が可能になりました。
この項目は、少しマニアックだけど覚えておくと便利な酸熱トリートメントの知識をご紹介します。
酸熱トリートメントはダメージで破壊された結合部分に新結合ができることで髪のダメージが修復されます。
新結合は髪を支える柱となるので、今まで不可能だった本当の意味での修復が可能になるのです。
ただ、足りない部分を一時的に補っているだけなので、髪が再生した訳ではありません。
元々酸熱トリートメントは「くせ毛改善」メニューとして海外で誕生し、海外では縮毛矯正に変わるメニューとして扱われていました。
しかし、酸熱トリートメントのくせ毛改善効果は日本人の髪と相性が悪く、効果を発揮できませんでした。
そのため、日本に酸熱トリートメントが上陸した際、誤解を招かないように「トリートメント」の名前を付けたのです。
近年、自宅でできる市販の酸熱トリートトメントが発売されていますが、おすすめできません。
なぜなら、酸熱トリートメントは本来難易度が高く、経験の少ない人が行うと上手く効果を発揮できない他、失敗する可能性があるからです。
そのため、酸熱トリートメントをメニュー化する美容師からすると、セルフでの酸熱トリートメントはやめてほしいと思っています。
ここまで、酸熱トリートメントの効果を解説しましたが、覚えておいてほしい事実があります。
酸熱トリートメントはデメリットもある為、知識と技術力のある美容師さんが扱わないと効果を発揮できないことです。
もし、経験と技術力のない人が酸熱トリートメントを使っても、持ちが悪かったり効果を発揮することができません。
本記事で解説した効果やメリット&デメリットは成功した前提で解説しています。
SENJYUチームは酸熱トリートメントをメニュー化する前に練習を重ねて、年間3000人の酸熱トリートメントを担当する経験があるからこそ成功する訳です。
単体では効果がない、酸熱トリートメントは技術のある美容師さんとセットになることで効果を発揮できるのです。
本記事の内容は、年間3000人の酸熱トリートメントを担当するSENJYUチームの現場の声はもちろん、メーカーさんや開発責任者さん、実際に酸熱トリートメントを行ったお客様やモデルさんの意見の総まとめなっています。
酸熱トリートメントを全く知らない方、もしくは知っていた方も、ぜひ本記事の内容を覚えてほしいと思います。
そして、効果やメリット&デメリットを説明するだけでなく、多くのお客様に酸熱トリートメントを試してほしいと思っています。
SENJYUチームは年間3000人の酸熱トリートメントを担当する酸熱トリートメントのプロフェッショナルです。
酸熱トリートメントに関して分からないことがあれば、SENJYUチームになんでもご相談下さい。
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