ヘアカラーにおいて補色はとても重要な技術であり、補色によってカラーが成功するか、失敗するかが決まる場合もあるのです。
例として、お客様の望んでいるカラーが「ベージュ」だとしでも、ベージュには数多くの種類があります。
もしベージュに染まっても、マット感のある緑がかったベージュだったら…
↑お世辞にも綺麗なベージュに見えません。
これは補色に失敗によって発生したカラー失敗と言えます。
今回は、年間3500人のカラーを担当するSENJYU森越チームがヘアカラーにおける「補色」の重要性を詳しく解説します。
目次
ある色を補う色のことを「補色」または「反対色」と言います。
ちなみに反対色同士が混ざると、理論的には黒か灰色になります。
正反対にある色が補色(反対色)です。
カラーやブリーチをした際、髪の黄ばみ&赤みが強くでる場合は、補色を使って黄ばみ&赤みを抑えることができます。
ちなみに補色でない色を入れてしまうと、綺麗な色になりません。
反対色が混ざると、綺麗なヘアカラーになると思って下さい。
↑「黄色」と「紫色」は反対色
違和感のある色味、ヘアカラーになってしまう。
↑「黄色」と「青色」は反対色では無い
なるほど、反対色って結構意外な色なんですね。
続いて、ベースカラーの関係について解説させて頂きます。
例として髪をアッシュカラー(灰色)染めたいとき、灰色の染料を入れればアッシュ(灰色)になる訳ではありません。
なぜなら、元の髪色(ベースカラー)を計算に入れていないからです。
↑黒に灰色を載せても黒のまま
理想のアッシュに染まるには、ベースカラーの計算を入れたうえでカラーをする必要があるのです。
日本人の髪は赤の色素が集まることで、黒髪に見えています。
そして、この赤の色素が集まった髪をブリーチで明るくしていくと「黒→焦げ茶色→薄茶色→オレンジ→黄色→薄黄色」の順番で髪色が変化します。
髪色を抜くことでベースカラーが変化する。
変化した髪色別に補色も変化します。
髪色が変することで補色も変化すると言うことは、カラー剤の選定もその都度異なると言うこと。
ベースカラーが茶色のとき青色の染料が入っているアッシュカラーで染めると、綺麗なアッシュに染まります。
これはベースカラーの茶色の補色が青色だからです。
↑補色成功によって綺麗な髪色になる。
もちろん、ここまでは全く問題ない話し
元々の髪色(ベースカラー)が黄色だとします。
この黄色の上に、青色ベースのアッシュカラーを入れるとどうなるか?
↑「黄色+青色=緑色」の要領で、髪が緑色になってしまいます。
これは、アッシュカラーによくある失敗例。
では、理想のアッシュカラーに染めるにはどうしたら良いのか?
黄色の反対色は紫色のため、黄色のベースカラーをアッシュに染める場合は、バイオレット(紫)を混ぜてカラーをすると綺麗なアッシュにすることが可能。
これが、ヘアカラーと補色の関係です。
ここまで聞くと、ヘアカラーって絵具みたいですね。
確かに絵具と同じ理論ですが、誤解しないでほしいことがあります。
ここまで補色の解説をするため「〇〇色+〇〇色=〇〇色」と絵具の要領で説明しましたが、これは一般の方に向けた理論的な話し。
実際ヘアカラーをするときは、絵具の理論は一切通用しないと思って下さい。
なぜですか?
それは、髪質によって染まる色が全く異なる場合があるからです
ありえないことですが、もし全く同じ髪色の人が存在し、全く同じカラー剤で、全く同じ塗り方をしても、同じ色に染まることは無いと思います。
なぜなら、髪の硬さやダメージレベルで完成形のカラーは全く異なるからです。
次の項目で、補色が通用しないカラー技術を解説します。
A、B、Cの髪色は全く同じ、そして使用するカラー剤も全く同じ物を使用。
さらに、塗り方も全く同じ。
以上の条件でA、B、Cそれぞれカラーをしたとします。
A、B、Cで全く異なる色味になる。
(画像の髪色はイメージです)
なぜこのような結果になったの?
髪は柔らかいほどカラーが入りやすく、硬いほど入りずらいからです。
柔らかくて細い髪質ほどカラー剤の浸透が良く、染まるスピードも早くなる傾向があります。
逆に、硬くて太い髪質ほどカラー剤の浸透が悪く、染まるスピードも遅くなります。
以上のことから、髪の硬度&太さによってカラー剤を変える必要があるのです。
髪の硬度&太さによってカラー剤を選定する技術は、補色とは無関係です。
A、B、C髪色、髪の太さ、髪の硬度が全く同じ。
しかし、ダメージを受けた原因だけそれぞれ異なるとします。
なるほど、ダメージ履歴が異なると同じカラー剤で染めても発色が異なるってことね。
その通り!だからこそ、ダメージ履歴を調べる髪質診断がとても重要になります。
ここで解説した3つのダメージ履歴は、ほんの一例に過ぎません。
当然のことながら、ダメージの原因が全く一緒の人はいないので、ダメージの原因別でカラー剤を選定する必要があります。
ダメージの履歴別にカラー剤を選別する技術は、補色とは無関係です。
ロングの方は根元と毛先でダメージレベルが異なり、必然的に毛先の方がダメージが大きく、根元ほど小さくなります。
(%は例です)
この、根元と毛先でダメージレベルが異なる状態で、全く同じカラー剤を使用して髪を染めるとどうなるのか?
ダメージが蓄積された毛先は、カラーが染まりすぎて濃い色味(沈む)になる。
一方、毛先はダメージが小さいので、カラーの染まりが悪く、しっかり染まらない。
結論、一色だけでは綺麗なカラーに染めることは不可能に近いのです。
ムラなく綺麗に染めるには、根元、中間、毛先、のダメージレベルに合わせてカラー剤を変える必要があります。
例として、ダメージが大きい毛先はやや弱めのカラー剤で染める。
逆に、ダメージ小さい根元はやや強めのカラー剤で染める。
↑ダメージレベルと計算に入れて髪を染めたので、ムラなく綺麗に染まる。
ダメージレベルに合わせたカラー剤の選別は補色とは無関係です。
色には「明度」と「彩度」があり、2種類以上の異なる色に染めるカラー(デザインカラー)をする際は、明度と彩度の調和を計算に入れてカラーをする必要があります。
明度と彩度の調和を計算は、補色とはまた異なる技術を必要とするのです。
青色と赤色のグラデーションカラーをするとき、お客様が望んでいる色を再現するのは当然のこと。
さらに、2色のカラーの明度と彩度が調和するグラデーションカラーをする必要もあります。
2色のカラーの明度と彩度が調和すると、綺麗なグラデーションカラーにすることができます。
↑これが2色の明度と彩度が調和したグラデーションカラーの成功例。
明度と彩度がバラバラだと、綺麗なグラデーションカラーになりません。
グラデーションカラーをするときは、明度と彩度の相性も考えないといけなんですね。
2色以上の使用するデザインカラー全般は、明度と彩度を計算しながらカラー剤を選定する必要があります。
明度と彩度の計算は、補色と全く関係ない訳ではありません。
しかし、補色とは全く異なるカラー技術なので解説させて頂きました。
ダメージレベル、髪の硬度や太さや見極め。
ダメージの原因の見極め。
ダメージレベルに合わせて薬剤の強さを調節する技術。
デザインカラーをする際、カラーの明度と彩度を計算に入れたカラー技術。
先ほど解説した、ベースカラーとカラー剤の補色の関係。
以上、ヘアカラーは5つの技術を駆使して行います。
本当はもっとありますが、キリがないのでいったん5つにします。
ヘアカラーは補色以外の技術も大事ってことが良く分かりました!
補色はもちろん、
SENJYU森越チームは、ダメージコントロールを駆使したダメージレスカラーを得意としています。
「髪が傷まない」と実感できるほど、髪へのダメージを最小限に抑えたカラー技術がSENJYUダメージレスカラーです。
絶対に髪が傷まない訳ではありますが、ダメージを感じないほど髪への負担を最小限に抑えてカラーを提供します。
また、ダメージを最小限に抑えるだけでなく、本来難しいとされる、ハイダメージ毛へのカラーも得意としています。
市販のカラーで剤は、補色の関係を理解してもあまり意味がありません。
なぜなら、補色を理解してもカラー剤の調合ができない以上、補色を意識したカラーなど不可能だからです。
ヘアカラーを綺麗に維持できるヘアケア商品と言えば、カラーシャンプーがあります。
補色を理解すると、自分の髪色に適したカラーシャンプーの選別が可能になります。
カラーが褪色した際、黄色味が強くでる場合はムラサキシャンプーが向いています。
カラーが褪色した際、赤味が強くでる場合はシルバーシャンプーが向いています。
など、カラーシャンプーも髪の相性別に使い分けます。
髪質は1人1人全く異なるので、お客様1人1人に合わせた唯一無二のカラーを作りだす必要があります。
その際に、重要な技術が「補色」の関係。
ヘアカラーは補色が全てではありませんが、補色無くしてカラーは成功しません。
今回は、ヘアカラーを成功させるために重要な技術である補色について解説させて頂きました。
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